目次
比較と選定
システムに求める前提条件とは
導入コストがやすいこと
運用コストがやすいこと
従業員の家族もフォローしたい
サプライチェーン全体で活用出来るかどうか
<導入コストがやすいこと>
導入費用面での安さと、導入作業面での易さの両面を意味して”やすい”と書いてます。
<運用コストがやすいこと>
運用費用面での安さと、運用作業面での易さの両面を意味して”やすい”と書いてます。
<従業員の家族もフォローしたい>
社内の事前アンケートにて、災害等の緊急時に、家族間でやりとり方法を決めている人は全体の30.3%でした。(待ち合わせ場所を決めているなども含める)
70%近い残りの人は、家族間でさえも何も対策していないということが分かりました。
私には妻と子 + フェレットが居ます。
私は有事の際は、如何なる状況だったとしても、たとえ無責任だと罵られようとも「仕事 < 家族」のスタンスは変わる事はないだろうと思っています。
それは他の従業員にとっても、大抵は同じだと思っています。
(中には仕事 > 家族という人も居てるかもしれないですが・・・皆様はどうですか?)
家族と連絡が取れないような状況下で、仕事の事なんて考えられないでしょうし、それは当然かなと思います。
そして会社としては、事業継続に向けた動きを開始するために、いち早く従業員の状況を収集する必要があります。
そのため、安否確認システムで従業員の家族も含めてサポートするのは、WinWinだと私は考えています。
<サプライチェーン全体で活用出来るかどうか>
システムとして取引先企業を含めてサポート出来るサービスもありますが、標準プランではなくオプション(有料)となるようです。
ここに関してはもちろん大切ですが、私個人的には「自社内のことが出来ていないのに外に目を向けられますか?」という疑問が強く、あまり重要視はしていませんでした。
また安否確認システムは、BCPにおける単なる手段なので、サプライチェーン全体でどう実現していくかは、他の手段も検討すべきだと考えています。
最終候補の2社のシステム
「安否確認システム 比較」等のキーワードでググれば、たくさんの情報が得られるため、細かくは書きません。
最終候補とした2社のシステムに絞ってレポートしていきます。
ちなみに、運用コストを削減(私の所属するシステム関連部署は私しかいないため・・・)のため、オンプレミスでの導入は除外しております。
そのため必然的に導入検討の対象をクラウドということで話を進めますのでご了承下さい。
安否コール
株式会社アドテクニカ さんが運営されています。
サービスの詳細は こちら より
静岡県の会社です。
2011年3月11日の東日本大震災当時は、システム導入実績は50数社だったもののシステムは問題なく稼働しました。
今では導入社数企業数は1000社を超えています。
料金は以下
初期費用 | 一律で、105,000円 |
利用人数 | 月額費用 |
1名 〜 100名 | 15,000円 |
101名 〜 200名 | 18,000円 |
201名 〜 300名 | 21,000円 |
301名 〜 400名 | 24,000円 |
401名 〜 500名 | 27,000円 |
501名 〜 600名 | 30,000円 |
601名 〜 700名 | 33,000円 |
701名 〜 800名 | 36,000円 |
801名 〜 900名 | 39,000円 |
901名 〜 1000名 | 42,000円 |
1000名以上 | 要問い合せ |
オプション費用
手動配信(100名毎) | 3,000円/月 |
GPSマップ機能 | 42,000円/年 |
カスタマイズ | 見積もり |
安否確認サービス2
トヨクモ株式会社 さんが運営されています。
サービスの詳細は こちら より
東京都の会社です。
2010年8月にサイボウズ株式会社の100%子会社として設立。サービスは2011年12月にリリースされたため、東日本大震災の稼働実績はありません。
プランは以下
ライトプラン | ・手動送信のみできればいい |
プレミアプラン | ・災害に連動して自動送信させたい ・掲示板などに、写真やファイルを添付したい |
ファミリープラン | ・家族の安否確認機能を利用したい |
エンタープライズプラン | ・グループ会社と利用したい ・他のシステムのユーザー情報を同期したい ・メールや設問以外に、設定画面も英語化したい |
前提条件として、<従業員の家族もフォローしたい>ので、ファミリープラン以上が必要です。
エンタープライズプランに関しては、グループ会社(私の会社の場合は取引先)を含めた利用は、まだ時期尚早ということで、検討から除外しました。
ファミリープランの料金は以下
初期費用 | 不要 |
利用人数 | 月額費用 | 年額費用(5%OFF) |
50ユーザー | 10,800円 | 123,120円 |
100ユーザー | 15,800円 | 180,120円 |
200ユーザー | 18,800円 | 214,320円 |
300ユーザー | 22,800円 | 259,920円 |
500ユーザー | 28,800円 | 328,320円 |
700ユーザー | 32,800円 | 373,920円 |
1000ユーザー | 38,800円 | 442,320円 |
1000ユーザー以降 | 要問い合せ | 要問い合せ |
会社へ導入するにあたって、比較した内容を一覧表にしたものです。
安否コール | 安否確認サービス2 | |
初期費用 | 105,000円 | 不要 |
料金体系(1〜100名)/ 月額 | 15,000円 | 15,800円(年額だと1月あたり15,010円) |
オプション | あり | なし(プランに含まれる) |
説明会実施 | オンラインセミナーあり | オンラインセミナーあり |
GSS機能 | あり | なし |
対応している自然災害 | 気象庁の情報に連動した地震・津波に対応 | 気象庁の情報に連動した地震・津波・特別警報に対応 |
対応している地域 | 全国188区分 | 全国188区分 |
メールアドレスの登録 | 一人3つまで登録が可能 家族分として最大7つ登録が可能 | 一人3つまで登録が可能 家族分として最大8つ登録が可能 |
ユーザーインターフェイス | シンプルで使い易く、直感的 | 分かり難く、初見殺し |
サポート | オンラインでも電話でも、柔軟にかつ丁寧にご対応下さり、何かトラブルがあっても大丈夫という安心感がありました。 サイト上にマニュアル等は完備されていませんが、事前に共有頂けるため、心配はありません。 | 基本的にはオンラインでの対応。契約に関する重要事項は電話がありましたが、どちらかというとシステマチックな印象です。 サイト上にトラブルシュートやマニュアルが完備されているため、何かあればそこに行けば何とかなる仕組みです。 |
選定
最終的には、トヨクモさんの「安否確認サービス2」を採用しました。
決め手は地震/津波だけでなく特別警報もサポートしている点でした。やはり昨今の自然災害の多発状況を考慮すると、守備範囲が広い方が安心ということです。
まぁでも、上の比較表を見て頂いた通り、大差は無いんです。
料金だけ見れば、月額10円の差はあるものの、初期費用不要な「安否確認サービス2」ですよね。
そして機能面で大差がないのであれば、そりゃ安いに越したことがないという判断をされる企業様も多いのではと思います。(うちも初見でそうだった)
でも最初に安否コールでトライアルを実施すると、使い易さで安否コールに傾く人は多いかもしれません。。。
GPS機能に関しては、災害時にどこに居てるのか所在地を自動共有出来る安否コール特有の機能です。ただ弊社の場合、社員が「どこにいてるか不明」は基本的にないため重要ポイントにはなりませんでした。しかしながら、社員が不特定多数の場所に営業に出るなどの場合は重要な機能のように思うので、そこは会社の業務形態に合わす必要があると考えます。
ちなみに、すごく親身になって下さって、こちらの都合に予定を合わせて頂いたり、トライアル期間も柔軟に対応頂いたり・・・はアドテクニカさんでした。
それでもトヨクモさんを選んだのは、語弊があるかもしれませんが、あまり親切さなどを求めていなかったこともあります。(本当にすみません)
職種柄、親切さよりもシステムの安定性だったりシステム説明とか、納得感の方が契約には影響します。その点、トヨクモさんの営業担当の方は勉強されているのか教育が行き届いてるのか、サーバーのオートスケールに関する説明なども抜かりないという感じでした。
アドテクニカさんの方は、3.11でも問題なく稼働した実績を売りにしているのですが、私は意地悪い性格なので「だからと言って将来の災害時に稼働するかは分からないよね?」とか思っちゃうので、そこもあまり売りにはならなったかなと。
もちろん両方トライアルを実施した上での総合判断ですし、私見なので、あくまで参考程度に考えて頂ければ幸いです。
トライアルは、面倒でも必ず必要な工程ですので、頑張りましょう。
トライアル
トライアルを実施するにあたって、事前に明確にしといた方が良いことがあります。
導入の目的を明確にしておく
現在の問題点を明確にしておく
必要な機能を予め把握しておく
1に関しては、何をするにしても大事なんですが、そもそもの目的の明確化ですね。
これがないと確実に迷子になります。
2に関しては、問題点が分かっていないと、3が導き出せません。また3の必要可否を判断できません。
そのため妥当なコストが分からなくなりがちです。(オプションあれやこれやなど)
3に関しては、事前にある程度トライアル候補のツールに関して勉強しとく程度でも十分です。
当たり前ですが「トライアルしてみたけどそもそも●●機能ないじゃん」が発生しないレベルで良いかと思います。
ご参考までに。