南海トラフは明日発生しても不思議ではないと言われており、今後30年以内に必ず発生すると言われてから、もうすぐ2年が過ぎようとしています。
そうした中、皆様のご家庭ではどのような備えをしておいででしょうか?
本記事では、出来るだけ「お手軽」で「ローコスト」をテーマに、衣食住毎にそれぞれ災害への備え【家庭編】を共有したいと思います。
目次
緊急避難へ備える
災害発生時、緊急避難の必要性がある場合を想定しています。
先ずリュックですが、普段山登りなどされない方の場合、普段使いのリュックだと容量は30L程度ではないでしょうか。
私もそうでした。確かに必要最低限のモノは詰められるのですが、それだけでパンパンになります。
そのため我が家では、私用に80L、妻用に60L(別メーカー)を緊急避難用に用意しました。
大は小を兼ねるのですが、私の場合80Lをパンパンに詰めると緊急避難出来ないので、ご注意下さい。
また色に関しては、防災に限らず登山でもですが目立つ方が望ましいと思います。
災害時は情報ですね。
情報量でいくとスマホが最強ですが、充電がないと利用できないため、確実に情報収集の手段を確保しておくことはしておきたいです。
昔と違って、今は小さくて軽い多機能なラジオが出ているので、本当に有難いです。
このラジオはスマホ充電も出来ますので、一時避難じにはもってこいです。
災害が明るい間に起こるとは限りません。
有事の際、暗闇の中を避難したりするのは大変危険です。
そのため私は登山用のヘッドライトを避難リュックに携帯しています。
あと靴は動きやすいスニーカーやランニングシューズでも足りるとは思いますが、ハイキングシューズがあるとより安心感が上がるかもしれません。
また言い出したらキリがありませんが杖なんかもあると水害の際には助けになるでしょうし、私は引越し時にはめるようなゴム手袋を避難用リュックと通勤バッグの両方に入れています。
夏であれば涼を、冬は暖を。
特に昨今は夏の暑さが尋常ではないので、我が家も今年(2020年)初めてポータブルファンを購入しました。
1台はお試しとして普段使いしており、もう一台を災害用にバックアップしています。
重要視したのは、当たり前ですがちゃんと涼しいこと、強弱調整が可能、ハンズフリーで利用可能の3点です。
ハンズフリーに拘った理由は、災害時を想定しているので両手をあけておきたかったためです。
なのでカイロも貼るタイプの選択を私はオススメします。
食
水
生活維持だけでなく生命維持のためにも最低限の備として水は必須です。
コーナンやスーパーなどで、通常時だと2L x 6本が500円程度で売られている場合がありますが、安価でケース売りされているものは、残り賞味期限が短い場合が多いので、気になる人は購入前に確認しましょう。
賞味期限を気にする場合は保存用水があり賞味期限が5年と長いため、長い目で見た場合にはオススメです。
我が家では5年保存水1ケース(6本) x 4箱を備蓄した上で、一般のミネラルウォーターをケース買いし、日常使用しながら残り少なくなってきたら買い足すようにしています。
一般的な大人で1日あたり多くて3Lを必要とする計算なので、家族構成と最低何日分を備蓄するかが重要になります。
我が家の備蓄量は、2L x 24本 = 48L + その他6L で合計54L程度です。
大人2人+子供1人+フェレット1なので、だいたい7日程度で計算していますが、もう少し余裕をもっておきたいのが正直なところです。
保存水
ミネラルウォーター
ちなみにペットボトルの水に関しては、外部から異物が混入しない限り基本的に腐敗することはなく、賞味期限を過ぎていても問題なく飲むことが可能と言われています。
しかしながらペットボトルには通気性があるため、経年数によって内容量が変わってしまいます。
販売している場合には、記載している内容量が変化すると計量法に違反してしまうため、賞味期限を設けているということらしいです。
食糧
過去にはインスタント味噌汁やインスタント麺を備蓄していたのですが、気付いたら2年以上も賞味期限を過ぎてた経験があります。
「非常時はそんなこと言ってられないし食べれる食べれる」と言いながら週末のお昼ご飯に食べたのですが...結果はダメでした。
食べられた物じゃないです。私は無理です。(ゼンゼン オイシク ナイ)
ある防災訓練のセミナーにおいて講師の方が以下のように仰ってました。
「非常食は出来れば美味しいと思える物を選んで下さい。」
被災生活が長くなれば長くなるだけ、美味しいご飯が効いてくるというのです。
「食べられたら良いじゃん」なんて考えていた私の浅はかなことよ....
何日分を備蓄するかですが、一般的には最低3日分を備蓄するのが望ましいとされています。
これは、電気・ガス・水道・交通や通信などのライフラインが復旧するのに、おおよそ3日掛かるためです。
我が家では5日分程度を目安に備蓄を目指しました。
ちなみに缶詰はレパートリーとして欲しいなと思ったのですが、嵩張る&重たいことと食べた後に缶ゴミが出るため、備蓄の優先事項は下げました。
主食・おかず
災害向けや登山時に携帯する際の非常食は、アルファ米が一般的でしたが、最近はフリーズドライ製法のものが出ています。
違いは何より、圧倒的な調理時間の短さです。
アルファ米がお湯で15分/お水だと1時間程度を要するのに比べ、フリーズドライ米はお湯で3分/お水でも5分程度です。
フリーズドライ米が出始めた初期は、味や食感でアルファ米に及ばなかったものの、最近のフリーズドライ米は進化しており、大変美味です。
さらに大きなメリットとして調理せずにそのまま食べられるので、非常食に向いていると言えるのではないでしょうか。
値段も大差がないと判断し、我が家ではフリーズドライ米を備蓄しています。
おやつ(主に子供用として)
調理器具
最後に、食に関して忘れてはならないのが調理方法です。
ガスや電気が使用出来ない期間は高確率で発生すると考えられるため、ガスコンロ+ガスボンベの備えをオススメします。
ただし避難所などで火器使用禁止されている場合もあるので、使用場所が限られるのが難点です。
我が家では緊急避難時のファーストチョイスからは外していますが、その後の被災生活の想定には入れているといった具合です。
加熱調理はもとより、例えばお風呂に貯めておいた水を沸かして飲み水として利用することも可能になるので、安心感がグッと上がりますよね。
※コンロなどはコーナンや大型スーパーの方が安価で抑えられる場合がありますので、是非一度お近くのお店をチェックされることを推奨します。
住
住は意外と軽視されがちですが、時代の変化とともに重要度が変わってきたと思っています。
プライバシー
私が重要視しているのがプライバシーです。
盗撮などの性被害は何より怖いですが、やはりプライバシーが最低限確保されている安心感は何物にもかえられないんじゃないかと思います。
我が家では最悪公園などの広場でも利用が可能との判断でキャンプ用のテントを購入しましたが、学校の体育館などの所定避難場所を想定した専用のテントもあります。
室内向け
屋外向け
電気
電気に関しては、明かりとしての用途と蓄電が必要かなと思います。
緊急避難項目でご紹介したラジオにもライトはついているのですが、より生活向けとして私が購入したのは以下です。
ファンの機能が付いているのと、卓上・吊り下げ両方で対応可能です。
私から強くオススメしたいのが蓄電池です。
電気がない生活が7日続くことを想像して見てください。3日なら耐えられるかもしれません。
しかし早いと1日、長くても3日程度でスマホの充電が切れて情報が遮断され外部との連絡手段がなくなります。
情報化社会の中で当たり前に生活している人は、なかなかこの状況はストレスフルで辛いのではないでしょうか。
我が家では簡易の充電バッテリーを常備しているのみで、蓄電池はコストの問題で残念ながらまだ導入出来ておりませんので、情報共有だけとなります。
ちなみに発電機の場合、重量問題や燃料備蓄、使用時の騒音や排気ガスなどを考慮し、自家用としては特に都会では現実的ではないと思います。
それならば多少コストがかかっても、発電機のデメリットを解決し移動にも適した蓄電池が最適だと思うのです。
今後さらに小型化、低コスト化されていくのでしょうが、災害は待ってくれないので悩ましいです。
記憶に新しい2019年の千葉県での豪雨災害においては、大雑把ながら25%の地域で停電なしでしたが、停電の影響があったエリアでは、3日以内の復旧見込みが32%の地域、1週間以内の復旧見込みが34.6%の18地域、2週間以内の復旧見込みが7.6%の地域とされました。
この数値は当時の見込み値ではありますが、40%以上の地域住人が1週間程度電気・ガス停止の影響を受けていたと考えられます。
他人事ではなく、明日は我が身の精神で備えておくことは、決して大袈裟ではないかもしれないと思います。
衣
「衣」に関しては、季節によって必要な物と量が変わるため、我が家ではシーズン毎に見直しをしています。
特に小さいお子さんがおられる家庭では、子供の成長に合わせた用意が必要となります。
肌着はユニク○さんの某商品はやっぱり強い味方です。
夏はそんなに困らないのに冬になると困るのが、アウターどうしよう問題ですよね。
強くオススメしたいと思うのが、登山ブランドのアウターです。
しっかり暖かいですし、なにより超軽量でコンパクトです。
ちなみにわたくし、登山家でもなんでもないのですが、過去1度だけ富士登山をしたことがあるのですが、その時の登山グッズが災害グッズとしてかなり有用と思っております。
大人も子供も、基本的に「買い替えをしようと思ってたヤツ」を中心にセレクトしています。
どうせ近い将来にゴミになる運命です。
洗濯が出来なくても最悪捨てられるとか、怪我した際の応急処置で布切れとして利用出来るとか、使い古しの方が良いですよね。
私の場合、使い古しだけで十分な数をバックアップ出来た(何か悲しい)ので非常用としては十分でした。
子供は不意に濡れてしまう/汚してしまう/破けてしまうなど、不測の事態を想定して5日分をバックアップしています。
子供は年齢にもよりますが、大人と同じようにはいかないと思って準備しておくのが良いかもしれません。
またオムツなどは、かなり災害時に役立つアイテムです。
大人用のオムツとしても代用可能ですし、氷嚢としても利用出来る優れものです。
そのため、お子さんがまだオムツを着用されているのであれば、余分にバックアップしておくと役立つかもしれません。
我が家では下着・靴下・肌着はそれぞれ3日分バックアップし、車の非常時用トランクに常時積んでいます。
また女性の場合は、普段使いの下着ではなくサニタリーショーツ(生理用ショーツ)をメインでバックアップされても良いかもしれません。
衣に関しては男性より女性の方が考えることが多いため、男性側は軽視せずに寄り添ってあげられると良いですね。
最後に
これらを一度に揃えようと思うと、それなりにコストがかかります。
しかしながら一つ一つは特別高価というわけではないので、日頃からちょっとずつ確実に備えていくことが重要だと思います。
ここには書いていませんが、例えば棚類の転倒防止用突っ張り棒なども防災グッズとして知られていますが、震災後となると売り切れてしまい高価率で入手困難になります。
そのため、買える時に余裕を持って購入しておくことをオススメします。
備えておくことで、いざという時に少しでも心にゆとりをもてると、正常な判断にも繋がるのかなと思います。
以下の事業継続についての記事内で安否確認について触れております。是非合わせてご覧下さい。
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