ナレッジなど

プログラミング教育って何なの?!

2020年度に小学校からのプログラミング教育が義務化されました。

私の子供はまだ未就学児なのですが、小学5年生の姪っ子の話によると、「今までに特に変わったと感じたところはない」との回答でした。

いったいどれだけの学校で、このコロナ渦においてスタートが切れてるんでしょうか・・・

コロナ渦により、この大事な初年度の振り返りがおざなりになってしまうのではないかと、今から恐れております。

 

私は早期のプログラミング教育に関しては以前から賛成派を貫いているのですが、皆さんは「プログラミング教育」と聞いて、どのようなイメージと理解をお持ちでしょうか?

 

目次

学習指導要領改定の背景・趣旨

予測できない変化を前向きに受け止め主体的に向き合い関わり合い自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となるための力を子どもたちに育む学校教育の実現を目指す。

というのが、文科省による学習指導要領改訂の方向性になります。

読み進めると後の方は「ちょっと何言ってるか分かんない」ってなりますが、要はこの先

  • どんどん人口が減少しさらに高齢化する見込みである
  • 人と機会が共存・協調し、AIが人を超える時代が来ると言われている

という未来を想定し、

  • 今の学校教育では、時代の変化に耐えられないのではないか?
  • 人工知能の進化により人の職業を奪われるのではないか?

という不安を実現させないために、今から取り組んでいくことを目的にしています。

 

新学習指導要領のポイント

情報活用能力を、言語能力と同様に「学習の基礎となる資質・能力」と位置付け

学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実を明記

ということ。

 

ICTは導入だけでは意味がなく活用できてこそなので、本当に活用していけるのか?どういう計画で活用を広めていくのかが資料から読み取れなかったため、心配です。

結局のところお金が絡むので、既存の先生方の教育コストもかかるだろうし新たな専門の先生を呼ぶコストが必要になるかもしれない、それらを踏まえた予算編成が必要だけど、そもそも予算はいくらあったら実現出来るの?など・・・そういう大人の事情を全て加味したうえで実施していると信じているのですが、そこが明確じゃないので、説明資料としては中途半端な印象は拭えず、えいやっで実施している感があるなぁというのが個人的な印象です。

未来ある子供たちのために、是非とも積極的に取り組んで欲しいなと思います。

 

プログラミング教育のねらい

文科省の定義によりますと、

「プログラミング的思考」を育む

プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気付く

身近な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む

各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、教科等での学びをより確実なものとする

であり、

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

ということです。

いわゆる、ロジカルシンキング論理的思考と言われているやつです。

 

また以下はさらっと書かれておりましたが、私個人としては重要と思っているので強調表記します。

プログラミングに取り組むことを通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりするといったことは考えられるが、それ自体をねらいとしているのではない

要はプログラミングスキルの習得が目的じゃないよということです。

であれば、何故プログラミング教育なんだと、論理的思考教育とかロジカル教育とかじゃないのだと・・・このネーミングセンスの悪さも相まって文句も言いたくなるし誤解を生んでる理由ではないかと思っています。

「GO TO EAT」や「GO TO TRAVEL」とか、何でもキャッチーさを求めてモノの本質を見えなくしている偉い人たちの悪い癖がそのまま出たようなネーミングだなぁと。

インターネットのサイト上でも時々「プログラミングを行うための力」みたいな表現を見聞きしますし、本質を見誤らないように、皆様にはご注意頂きたいなと思います。

 

そもそも、省庁自らが「プログラミング的思考」なんて言っちゃるので今更なんですが・・・的ってなんやねんと・・・

 

情報の活用方法やICTに触れることも目的にしているからプログラミング教育ってのは分かるけど、それならなんでICTの導入が進んでいないんだ、だいたい大風呂敷を広げ過ぎなんだもっと目先のことからこつこつと、それこそ順序立てて考えて・・・・・(自粛)

 

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングをWikipediaで検索すると、

一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことである。日本語訳として論理思考あるいは論理的思考と置き換えられることが多い。

です。

 

そしてここで突然の例題

「JR大阪駅の5番線乗り場にあるキオスクでおにぎりを購入するお客さんは1日に何人居てますか?考えてみて下さい。」

ポイントは、答えが重要じゃない点と、考え方とその過程が重要な点です。

 

 

さて答えは十人十色なんですが、私は以下のように答えます。

  1. JR大阪駅全体での利用数は1日100,000万人とする
  2. 5番線の利用人数が全体の30%とした場合、30,000人が1日に利用することになる
  3. さらにキオスク利用者は20%と仮定すると、6,000人がキオスク利用者である
  4. そこからおにぎりを買う人はさらに減って5%とした場合、300人がおにぎりを購入する

如何でしょうか。

よければ皆様の回答もコメントから教えて下さい。

 

物事を順序立てて考えて仮説を立てる、それを形に(言語化)する力、これがロジカルシンキングと言えます。

また「5番乗り場にキオスクはないです」とかって答えちゃう人は、そもそも質問の本質を自身で消化することが出来ていないことと、質問を多角的に捉えられておらず、表面だけで判断してしまっているので要注意です。

相手が何を必要としているのか、何を言いたいのか、それらを逆算して考える力、そういうところにもロジカルシンキングは影響すると私は考えています。

 

実践的ロジカルシンキング

ロジカルシンキングしたものを、さらに深掘りしてみましょう。

前項で出した議題の結論の1〜4番に対し、じゃあ実際はどうなんだ?って思いますよね。

実際は、JR大阪駅での1日あたりの乗車人員数は2018年度は約400,000万人だそうです。

そうすると2番の30,000人は120,000人に変わりますし、3番・4番の値も当然変わりますね。

次に2番の5番線の利用人数の実態はどうなのか?これも実際の数値が分かれば・・・という風に順序立て一つ一つの仮説を検証していきます。(面倒なのでさすがにこれ以上は深掘りしません、すみません)

仮説と実態を照合して検証を繰り返した最終結果をみると、全然仮説と実態が一致しないかもしれません。

何故でしょうか?問題を多角的に捉えて考えてみて下さい。

 

理由は適当なんですが、「乗車人員以外にも駅ホームを利用する人が1日あたり5,000人居てるから」かもしれないし、「5番線を経由地として利用する人が1日あたり3,000人居てるから」かもしれないわけです。

これらが新たな仮説になります。

この仮説立てと検証、これが市場調査の基本でもあり、いわゆるマーケティングの仕組みだったりします。(マーケティングは専門外なので、検討外れのことを言ってたらご指摘下さい)

 

さらに突き詰めると「何で乗車人員以外にも駅ホームを利用する人がいてる事実を見落としていたのか?」という改善点が生まれた人はもう何も言うこと無いです。

これはPDCAという継続的改善サイクルにすんなり入れる人なので、かなり優秀な人材と言えるでしょう。一緒に働きませんか?!

 


ロジカルシンキングは訓練が必要ですが、訓練で身に付きます。大人になってからでも身に付けられます。

ですが、常にロジカルシンキングする環境に身を置いてないと、なかなか難しいです。

これは論理的に考えろ、これは適当で良いよ、なんてことではダメなのです。(子供の場合)

なので文科省が小学校からの必修科に踏み切ったことは評価できますし、現場の先生方には気合入れて頑張って欲しいと思っています。

 

ただし、ロジカルシンキングが実践できてる大人ってどれくらいいるでしょう?

現場の先生方で、ロジカルシンキングが実践できて、子供たちに教えられる人がどれくらいいるでしょう?

 

私はTwitterでもしばしば主張しておりますが、日本国のお偉いさんたちも大いに否ロジカルシンキングですし、抽象的なことばかりしか言えない人が多いです。

そして企業の中の多くの人も同様です。

これからの子供たちにバカにされないように、先ずは自分たち大人がロジカルシンキング出来るように、大人から取り組んでみるのも良いかもしれませんね。

 

-ナレッジなど
-,

© 2020 @gabrielmende21