「5S」や「5S活動」は、中小製造業に身を置く方はご存知なのではないでしょうか?
私はこれまで全く他業種のIT関連サービス業でしたので、「5S」は現職で初めて耳にしました。
そして「5S」について学ぶためにビジネス本を購読したのですが、読書感想的に本記事にしました。
(後で振り返ることもあるかもしれないし、ないかもしれないし)
※あくまで読書感想なので「5S」について深く詳細解説はしないです
目次
「5S」とは
整理(Seiri)
整頓(Seiton)
清掃(Seisou)
清潔(Seiketsu)
しつけ(Sitsuke)
それぞれの頭文字を取って5Sと言われる。
製造業の生産現場における工場改善の基本的な考え方である。
安定した作業環境を構築し、生産性を高めて品質を高めるといったことを目的にしています。
また工場だけでなく、間接部門にも5Sは適応されます。
※QCDS(PM)に関しては割愛
5Sの基本と実践がよ~くわかる本
出版社:秀和システム
著者:石川秀人
タイトル通り、基本〜実践に重きが置かれています。
内容も具体的で非常に分かり易く、ここに書かれていることを実際に実践すれば、効果に結び付くイメージが持てるようになっています。
読んで良かったと思いますし、数時間あれば読み切れるくらいのボリュームです。
「5S」の内容自体は当たり前のことなんですが、出来ていない現場は多いと思います。
本書を読んで、自社にどのように活かせるか検討してみては如何でしょうか?
私の会社では、私が在籍するより前から「5S活動」をしています。
実績でいうと「活動前と今とで比較すると天と地ほど差があり、比較できないくらい改善した」そうです。
”比較できないくらい改善した”ことは非常に素晴らしいと思うのですが、残念なのはリアルに比較できないことです。
比較できないので、厳密に結果を評価できないのです。
比較しない/比較できない、ということは、費用対効果を無視しているとも言えます。
本書にも書かれていますが「目標は計測できる指標でもって明らかにする」です。
しばし「こんなん数値化出来ないよ」と言われるのですが、考え方が間違っています。
出来ないのではなく、するのです。
数値化出来ないのは、それこそが最初の改善点だと気付く必要があります。
数値化出来ないと比較が出来ないと言いましたが、比較が出来ないだけでなく、そもそもどこを目指しているのかも分からないし、進捗状況も管理できません。
そんな5Sが正常に稼働できているとは言い難いです。
そして現場に目を向けると、確かに整理整頓がされているし、清掃も行き届いているし清潔さを感じる。
時々は失敗もありますが、しつけも行き届いてる。
でも私は大きな不満を感じてました。
それは何故か?
先にも書きましたが、「5S」は改善の基本的な考え方でしかないのです。
私が感じたのは「5S」を実施している従業員が、本来改善のための手段である「5S」を目的として実施してしまっていると感じたからです。
例えば「5S」の一環として決められた清掃日があるのですが、人によって効率が下がるのであれば別日にすれば良いと思いますし、従業員が清掃することはさして重要ではないので、清掃業者に依頼することも検討しても良いかもしれません。
例えば資料Aは棚Aから取り出し、使用後は棚Aに戻す。Bに関連する資料は棚Bで管理する。これが出来ているのに全社共通のファイルサーバー上では何故どこでもかしこでもファイルを配置するのか?
これは5Sを改善の考え方として身に付けていないからです。
考え方として身に付いていれば、ファイル名一つとっても規則性を気にするだろうし、どこにファイルを配置するかは見つけ易さに直結するのでもっと注意深くなるはずです。
(会社として明確なルールを設けていないのも悪いのですが...)
5章「仕事の5S」と6章「5Sから更なる改善へ」には、まさにそのような部分について書かれています。
よく見聞きするような「見える化・ワークアウト・PDCA・5W1H」など、ひっくるめての「5S」なのです。
考え方を身に付けることで、自然とその他の改善にも目が向くようになるのです。
考え方の習得はやらないといつまで経っても出来ないです。またやったからと言ってすぐに身に付くものでもないです。
だからこそ、明日からでもやる価値があるのです。
それくらい、重要なのです。
これから「5S」を始めようとお考えであれば、是非本記事が参考になれば何よりでございます。